歯列矯正はいつ行う?
私は小学校の歯科校医をしていますが1月24日、渋谷区の学校歯科医と小中の養護教諭の先生との合同研修会が開かれました。この会は年に一回開催されるもので、今年の講師は「東京医科歯科大学咬合機能矯正分野教授の小野卓史先生で、「早期の矯正歯科治療に対する私の考え方」と題した講演でした。当院に通うお子さんの親御さんや学校歯科健診で歯列不正と診断されたお子さんの親御さんから、「矯正歯科治療は子供のころから始めるべきか、それとも大人になってからで良いのか、いわゆる早期治療と晩期治療はどちらが良いのか」と質問を受けることが多くあります。
当院では本格的歯列矯正は行っていないため、矯正が必要になった場合は、あるいは矯正の必要な可能性が予想される場合には、当院が医療連携を行っている数か所の矯正専門医をご紹介しています。
今回の小野先生の講演では、矯正の早期治療は顎顔面口腔領域の正常な(あるいは生理的な)機能を獲得(あるいは再獲得)するために重要な意義がある、との見解でした。早期に歯列矯正をすることで単なる見栄えを回復するだけでなく、例えば慢性副鼻腔炎から生じる鼻づまり等の二次的身体問題を回復できる利点があるとのことでした。ただし歯列不正の種類(出っ歯、受け口、乱杭歯など)によって状況が変わるので、必ずしも一概に言えないとこでした。お子さんの矯正を考えられている場合、少なくとも早期に矯正専門医を受診され詳しい診断を受けられたのちに、矯正を受けるかどうかの選択をすると良いかと思います。(写真は当院に受け口の矯正相談に訪れた小3のお子さん)